コンピュータ犯罪捜査官 受験記 (受験と勉強と情報のすゝめ)

ここ数年受け続けてきたサイバー捜査官ですが、
一応一次突破という結果を得ることが出来たので、勉強した内容等についてご紹介します。

この情報が捜査員を目指す方のお役に立つこと、受験者が増えて、結果的に採用が増え、
よりインターネット上の治安が向上することを節に願います。


1. 前提条件のクリア

警視庁や都道府県県警により基準は多少違いますが、概ね、

(1) IPA の情報処理資格 (高度区分 [応用情報でも大丈夫な場合もあり])
http://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/seido_gaiyo.html

(2) IT に関連する3年以上の職歴

が募集の前提となります。

このページをご覧になられている時点でクリアされている方が大半とは思われますが、
未取得の場合は、試験内容からも [情報セキュリティスペシャリスト] の取得をお勧めいたします。

http://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sc.html

学生さんの場合、情報系の大学に行かれるのが、近道になるのではと思います。
また在学中に高度情報のいずれかの区分を取得しておくと楽です。


2. 一次試験について

一般的な大卒公務員の試験 (教養) + IT系の試験 (専門) からなります。
※ 論文等もある場合は当然あります。

教養については、一般区分の警察官の試験と同じものと考えて問題ありません。
勉強方法としても、よくある公務員試験対策で十分です。

(1) 教養への準備

私は以下の問題集を3回ほどやりました。

また数的、判断推理を確実に取ることが足切りを突破する上で重要になるので、力を入れると良いです。
使った中では以下が良書でした。


(2) 専門への準備

具体的な問題をそのまま記載するのは様々な問題があり出来かねますが、
IPAの高度試験の 午前1 を少し難しくした問題 (選択式 or 穴埋め) + 午後問題のようなもの (記述式) という形式が多いです。

特に抑えるべきは、

☆ 各種攻撃方法、その対策

 ☆ デジタルフォレンジクスに必要となる知識 (HDD や SSD の詳細、どのように動作しているか等)

 ☆ 話題となっているソフトウェアへの知識、理解

☆ ITに関連する法令

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070725/278287/

となります。

私が専門考査の難易度から断念した警視庁では、上記に+して SQL 文の書き取り、C 言語の書き取り、穴埋め等の専門出題があり、
SC + DB + NW の区分全てを網羅的に把握しており、それに関連する業務経験積んだ人間以外ではかなり難しいと思われます。

各県警の場合、どちらかと言えば情報セキュリティスペシャリスト寄りの内容となることが多いため、
SC の午前 2 の範囲を抑えればいけるのではないか、というのがここ数年複数県を受験した限りでの私見です。

SC の内容把握としては、以下の翔泳社の教科書を推奨します。


以上、非常にざっくりとした感じですが、
ネット上にあまり情報がなく、受験者総数が少ないことから勉強方法等に苦慮されている方の助けとなれば幸いです。

相談や質問についても、twitter の方に DM を頂ければ可能な限り答えます。


受験に際し以下のサイト(blog/Webページ) に非常にお世話になりました。
感謝の上、ご紹介させて頂きます。

  • Lucent crafts - 

警視庁特別捜査官 (コンピュータ犯罪捜査官) 受験記
http://lucentcrafts.blog.fc2.com/blog-category-5.html

コンピュータ犯罪捜査官受験体験記
http://www.ann.hi-ho.ne.jp/jiro/hanzai.htm